熊野市議会議員久保さとしのひとりごと・・・漁業の未来・人に金をかける

市職員時代、足掛け12年近く水産業を担当させていただき、退職後も間接的ではありますが漁業者の傍らで仕事をさせていただく機会を得ています。
しかしこの間、日本の漁業は漁獲量、漁獲高ともに少なからず先行きに不安を抱えるような状況になっています。

その原因は、漁法の進歩やそれに伴う乱獲によるものや、気象変動による環境の変化などがあげられていますが、それらすべてが複合的に絡まってのものであることは間違いありません。

熊野地先の漁業もご多分に漏れずその傾向が強くなり、特に近年のサンマ漁の不漁は、棒受け網漁を行ってきた漁船の多くが廃業を余儀なくされるなどの影響をもたらしています。
私が市職員に奉職したころには、サンマ漁に従事する船は、遊木、二木島、甫母港併せて30隻近くあったのが、今は一桁まで減少しています。
廃業していった船は、当初は後継者不足であったり、新船への切り替えがうまくいかなかったりという理由でしたが、今ではサンマそのものが南下してこないという事象が、その原因になろうとしています。
他の漁業・・特に地先の漁業の大きな戦力である定置網についても、魚そのものの減少に加えて、度重なる台風の来襲などの気象現象により、今年度は大きく漁獲量を減少させていますし、小船による一本釣り漁業も、漁業者の高齢化などによりしだいにその漁獲量を減らしています。

さて、そんな状況の中、行政、漁業者ともに打開策をいろいろ練っているところですが、これといった案は無く、机上の・・いやバーチャルの世界での空論とも思える案が出てきては、とりあえずそれをやっておくという形になってしまうのが気がかりです。

中でも、獲る漁業がだめだから育てる漁業、養殖業への転換が必要・・ということが論じられ、そして見よう見まねでそれを実施しようとしているのですが、そこに専門性が感じられないのがとても不安要因となっています。
特に、漁業者を指導する行政側の専門職員がいないということが最大の不安要因であり、知識が不足したまま事業を実施しようとすることによって、なかなか前に進むことができないままになっている状況となのです。

私は足掛け12年ほど水産業を担当しましたが、やはり専門的知識が無いまま事業を行おうとしては、成果を上げるまでに時間がかかりすぎて日の目を見ないということが多々ありました。その失敗を踏まえ、何度か専門職員の採用を提言してきたところですが、その思いは聞き届けられることなく今に至っています。
県の専門職員を活用すればよいとの声もありますが、相対的にその数が減少していることや、人事異動により地域に派遣される期間が短いことから、同じ人に継続して指導を得られない、そして何より広範な地域を担当していることで、当地だけに密着した指導を得ることができません。

ではどうすればいいのでしょうか。
もちろん市において専門職員を雇用するということが最優先であることは言うまでもありません。そして、新卒の職員が困難であれば、県等の専門職員の退職者や離職者をスカウトするという方法もあると思うのです。
もし、市職員として採用するのが難しいのであれば、市から支援をして漁協の職員として採用することも方法のひとつです。

「人にお金をかけることを惜しめば、未来を失うことになる」
師匠からいただいた言葉ですが、まさに当地の水産業を未来に残そうとするのであれば、付け焼刃の知識でなんだかんだとやることよりも、しっかりとした知識と技術を持った「人」を配置し、そのうえで漁業者だけでなく消費者のニーズを踏まえたこの地域に合った事業を推進していく必要があります。
このことは、水産業だけではなく他の産業にも言えることであり、この地域の産業の活性化をリードするのが市役所であるとするならば、専門的知識を有した職員の採用は不可欠であると考えます。
「人にお金をかける」・・そうあるべきではないでしょうか。

 

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熊野市議会議員久保さとしのひとりごと・・・漁業の未来・人に金をかける への2件のフィードバック

  1. 白坂春奈(ヨシケン) より:

    私が子供から青年へ変化していった高度成長期。
    日本にはたくさんの子供の姿がありました。
    そんな時代を、今、振り返れば…
    「あの頃の大人たち、爺ちゃん婆ちゃんは〝子供パワー〟をもらって元気に頑張っていた」
    そんな私論からすれば、子供の数が右下がりな状態では…思うのです。

    最近の漁業不振には、久保さんが指摘されている地球環境の変化や、人的配置の不備などの大きな要因が重なっているのは事実です。
    しかし、その「負の要因」のひとつに、
    「よっしゃ、父ちゃん、母ちゃん頑張るで!!」の起爆剤となる〝子供パワー〟といったメンタル面、〝漁業従事者の家庭的子供不足〟もある絵はないかとも思います。

    • くぼさとし より:

      コメントありがとうございます。
      子供の数・・そのとおりかもしれませんね。
      それと併せて、「子供にこんな仕事させたくない。都会へ行って一旗揚げて楽に暮らしてほしい」という親心も大きいと思います。
      ただ、未来に向けて、このまま座して消滅を待つわけにもいきませんので、少ない従事者でも効率の良い方法を見出すことで、その産業の活性化を図ることが必要と考えています。
      それは地方におけるすべての産業に通じるとも思います。
      またご意見をお聞かせください。

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