熊野市議会議員久保さとし・・・学生を対象とした就労体験

インターンシップという言葉があります。
その意味は、学生が就業前に企業などで「就業体験」をすることとされています。

近年ではそれが農林水産業などでも実施されるようになり、就職先として農林水産業を選んでもらおうとすることと、田舎暮らしを希望する若者に農林水産業の基礎を教えることを目的としたものがあります。

この試みはけっこう多くの地で行政主導で実施されており、2週間程度の期間、農林水産業についての基礎的な知識、基本的な作業を教えると共に、地元民との交流や空き家見学、民泊などを通して地域に触れ、そして最後に報告会や面談会を行って移住への意思確認やマッチングまでを行うところまでやっているところが多いようです。

では、熊野市ではこのような試みはされてるのでしょうか。
移住希望者に対し、地域を案内したり空き家を斡旋したりということはやっているとは思いますが、学生を対象としたインターンシップという形で市当局が実施している事例はあるのでしょうか。
関東の某女子大の学生を対象に農業体験を行っている例はありますが、これはあくまでも就業を前提としたものでないと思われますので、真の意味でのインターンシップとは異なります。
では、外には実施されていないのでしょうか・・
短期間での漁業体験教室などが実施されてことはあると思いますが、しっかりとしたプログラム、カリキュラムの上で実施している例はあるのでしょうか。

このほど、ある大学の授業でゲスト講師をさせていただき、地方の現状と課題について話させていただいたのですが、その際「農林水産業のインターンシップは実施されているのか」という質問がありました。
この質問の前段には「都会で暮らす私たちが田舎にできることは何か」という質問があったのですが、本気で田舎で暮らすことを考えている学生がいることに少なからず驚きを感じえませんでした。

このような人がいる・・しかしそれを受け入れる準備、仕組みを私達は設えていたのか・・事業はやっているものの、それはパフォーマンス的なものではなかったのか、アリバイ作りに終わっていないのか・・そんな気持ちにさせられたところです。
働く場所としての地方・田舎・・興味はあっても、それを選ぶには体験したり経験したりする機会が無ければ踏み切れない・・それは当然のことであることに私たちは気が付いていなければならないのに、気がついていない・・いやもしかすると徒労に終わることが多いこの種の試みについてあえて積極的に取り組んではいなかったのかもとも思ってしまいます。

この種の事業は、セレモニー的に行うことでは本気でこの地域への就職を考えてはもらえません。やはり真にこの地域に根を下ろしていただこうと本気で考えるのなら、しっかりとしたプログラムを組んで内容の濃いものにしていかなければなりません。

これはある自治体が実施している事例を引用させていただいたものですが、このような インターンシッププログラムは熊野市でもできないことは無いと思います。
私が気が付いていないだけで、もしかするともう実施しているかもしれませんが、それによって就労したということを耳にしないので、実施していないのであれば、早急に検討していただきたいと思います。

 

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