久保智のひとりごと・・・林業

私の住む集落にある原木市場に運び込まれる木材・・そのほとんどが杉、桧で、早朝から夕暮れまでトラックにより搬入されています。この市場ができた頃と比べるとやはり数量的には少なくなったように思われるものの、奈良県や和歌山県などからの搬入もあって多くの原木が市場を埋めています。

それでも、近隣地域の他の市場が閉鎖されていく中で、しっかりと生き残って事業を継続しているのは、市場関係者、特にこの市場で働く職員の皆さんの働きがあってのことといつも思っています。
営業を担当する方は、県内はもとより県外までその範囲を広げ、素材生産者の確保と買受人の確保に尽力されていて、その結果近隣はもとより、県の北中部、奈良・和歌山県・・遠くは高知県からの買受人もいるほどで、その営業力は商社並みとも・・
そして何よりも敬服するのは、この現場で働く若い職員たちの働きです。
早朝・・繁忙期には朝6時台から出勤し、夜半まで作業を行っていますが、夏場はアスファルトの場内で猛暑に見舞われ、冬場は熊野市内で一番寒いと言われる地区で凍えながらの作業・・ほんと頭が下がります。

ただ、その努力にもかかわらず原木価格の低迷は続いていて、私の義父が務めていた創世期に比べるとその価格は比べるべくもなく、その売り上げは遠く及ばないとも聞いています。
幸い熊野原木市場は生き残っていますが、近隣の新宮市や尾鷲市にあった原木市場のいくつかは廃業を余儀なくされるなど、その現状は厳しいものであることは間違いありません。

それは原木市場だけでなく、川上の林業・・素材生産を行う林業家にとっても同様で、山をさばいても得られる金額ではその後の植林・育林と言うところまで手が回らず、次第にその作業が放棄される山も多くみられるようになりました。併せて収入が安定しない山林労務を嫌って若者がその職につくことが無くなり、山林作業を行う労働力の減少も大きな問題となってますます山林の荒廃に拍車をかけています。

川下の林業・・製材業も同じくその傾向にあり、住宅での国産材の使用率が減ったことと、ハウスメーカーの進出もあって、この地域での需要が著しく減少していることから、廃業したり規模を縮小する事業所も多く見られます。
一方で消費者ニーズをしっかりと把握した製品づくりを行っている事業者もあり、その成果が注目を集めるところとなっていますが、多くの小規模事業者が直面している現状は決して明るいものではありません。

日本の林業の構造的な問題解決が必要・・と言われて久しいのですが、相変わらず林業の低迷は続いており、国はいろいろな補助メニューを創設しては日本の林業の保護に努めてはいますが、その多くが対処療法的なものとされ、大きな成果・効果を生むには至っていないのが現状です。

以前「里山資本主義」が林業の救世主のようにもてはやされましたが、その意図するものは、自然循環型社会の形成による農林水産業をはじめとした産業構造を整理し、それによる地域内循環型経済の確立にあると理解しています。
「林業は自然循環の大きな柱・・森がなければ里も川も海も成り立たない・・「循環」ということをもう一度肝に銘じて林業の再生を考えていかないといけない・・」何度となくいろんなセミナーでお聞きした言葉です。

しかし、このことへの取り組みは目に見えるものとはなっていません。
地方の小さな自治体だけでなく、国・県レベルでもう少し実の見える取り組みを考えていただきたいですね。

 

 

 

 

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